執筆書籍の振り返りシリーズ「はじめてのLINE入門」

Unknownこの本が出版されたのは、本の奥付によると2012年の11月。

この前年の6月にリリースされたLINEはあれよあれよという間に当時の若者の間でスタンダードな連絡ツールとなり、それまでのメール文化を一気に変えてしまったモンスターアプリへと成長しました。

個人的にLINEは使っていましたが、正直それまでも同じようなアプリは幾つもありましたので、何故ここまでLINEががメジャーになったのか、明確な理由は当時も見つかりませんでした。

古くはViber(これは最近楽天が買収しましたね。後発のLINEと同様、インストールするとスマホのアドレス帳にアクセスして連絡先を追加する仕組みにビックリしました)、よく似たものではカカオトーク、そういえばLINEに追随してcommなんてのもありました。(これは最近サービス終了)

その中でなぜLINEがヒットしたかという分析はここで深くは書きませんが、やはりあの独特のスタンプのテイストに、キャリアをまたいで通話やメッセージのやりとりが無料でできる(但しこの機能は先ほどの類似アプリと同じです)機能が乗っかったから…いえ、断言すればあのスタンプのキャラクターがすべてではなかったのでしょうか。

そんなLINEがいよいよ若者だけのツールから、中高年層へ広がりつつあるタイミングで、この書籍を執筆しました。

このシリーズですから、対象となるのはバリバリとLINEを使いこなしている若者ではなく、どちらかというとLINEの全機能を使いこなしたいという大人を前提に構成しました。

ただ、LINEって、わかっているようでよくわからないっていうことを、書き始めてから気がついたんですよね。

LINEは良くSNSと比較されていますが、LINE自体は「ソーシャル」と言うよりも「プライベート」なコミュニケーションツールです。

Facebookと比較するなら、LINE本体はFacebookのメッセンジャーアプリだけの機能しか持たないと言っても良いでしょう。

その仕組み自体をLINEが公開しているわけでもなく、例えばこんな事を考え出すと、夜も眠れなくなってしまうのです。

「LINEの友だちってなに?その定義は?」

少し考えてみてください。

Twitterのフォロー、フォロワー関係はわかりやすいですよね。

フォローボタンを押したもの同士の関係で、フォローすれば相手のタイムラインが表示されます。(相手にカギがついたりすると少し関係はややこしいですが)

Facebookは友だち申請をして、承認されると友だち同士になります。

LINEの場合は、タイムラインの公開ではなくて相手にメッセージを送れるかどうかが基本的な機能です。

では、自分のLINE上での「友だち」って、何をさすのでしょうか?

さて、「友だち」の定義、わかりましたか?

ぼくは数日悩みました。

漠然と概念でとらえれば、別にそこまで考える必要もないんですが、どうしてもそれを「定義」しないとちゃんとした本にはならないんです。

で、ぼくの出した結論は、

「LINEの友だちとは、自分の友だちリストに表示されている相手」

です。

言われてみれば当たり前なんですが、FacebookやTwitterと違って、LINEは「誰に自分が登録されているか」がわからない仕様なんですね。

だから直感的にはLINEを使う際の「関係性」がわかりにくいのです。

仕組みとして、どういう関係ならやりとりができるのかとかそう言うのはわかっていたのですが、LINEの友だちって何?って言う定義ができなかったんですね。

逆にそれがはっきりしたら、後は楽でした。

という経緯で執筆したこの書籍ですが、LINEはその後もどんどんユーザーを増やし、多分野にわたる書籍を書いてきた中で、マスメディアからの問い合わせや取材が一番多いのが、このLINE関連なんですよね。

まあ、テレビの収録に東京まで行って結局放映がボツったり、電話取材でいろいろお伝えしたらその内容を知らないおばさまがお話になっていたりするパターンが多いんですけれど(笑)

テレビは恐いですからねえ。言われるがままにやってしまうと、影響力が多いだけにマイナスブランディングも激しくなってしまうので、慎重に対応しないといけませんからね。

はじめての最新LINE入門 徹底活用決定版 (BASIC MASTER SERIES)

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投稿者プロフィール

hesatake
東京都杉並区出身。愛知学院大学文学部心理学科中退。
職種:WEBライター、書籍執筆、コンテンツマーケティング、ウェブプロモーション、All About LINE活用ガイド

●大学中退後、オイルまみれの二輪メカニックから、子供の頃から好きだった「ものを書く」仕事をするためコピーライターに転身。T専門の広告代理店ディレクターとしてBUFFALO、ブラザーなど地元IT企業の広告、販促ツールを制作。27歳で個人事務所として独立。その後はトヨタ自動車の海外向け販促ツールなどのプランナー、クリエイターとして活動。クリエイティブ以外にもデザイン専門学校講師やインターネット黎明期にセミナーの講師としても活動。●2012年春「はじめてのFacebook活用」(秀和システム)を執筆。以後執筆する書籍のテーマに関連するコンサルティング業務にも取り組む。●2012年から2015年にかけて計17冊の単行本、ムックを執筆。